ピアノ連弾@Wigmore Hall

http://www.wigmore-hall.org.uk/whats-on/productions/piano-4-hands-23363

ご家族の都合でチケットに余りが出た先輩に誘っていただいて、ピアノのFour Hands、連弾、つまり2人で弾くコンサートに行って参りました。
Wigmore Hallは100年以上の歴史あるホールとのこと。観客席は傾斜なく平で、ステージは高めの配置。天井も比較的高く、教会のような造りでした。
直前にビール2杯飲んだのと、後ろの方の席だったことも手伝って、前半4曲はほぼぐっすり睡眠。生演奏のBGMで寝られるなどというのは幸せなことですな。
後半の曲のときには前列のお客さんがいなくなったので、音が非常に聞きやすくなりました。ダイレクト感が増したというか、倍音が綺麗に届くようになり、平らな客席の弱点克服。非常に現代的なアレンジで変拍子、不協和音ありの難しい曲(微妙にずれているときもあったような気も)では私は目が覚めましたが、周りは逆に眠くなっていた模様。
連弾というのは初めて聴きましたが、一人で弾きこなせないレンジを弾けてしまう面白さがある一方、二人がそれなりのボリュームを出したときは、ピアノのボディのキャパを超えて、音がぶつかりすぎているようにも感じました。とりあえず、これが今日の感想。


弊社の設備の一つに無響室というのがあります。これは騒音測定用の部屋ですが、床や壁、天井が音をまったく反射しない素材で造られており、この部屋に入ると耳の中でシーンという音が聞こえるくらいの無音状態で、人によっては気分を悪くしてしまうことも。
ここで体験したのは、「音はまっすぐ進む」ということ。極めて抽象的な表現ですが、逆に言うと普段耳にしている音の大半は反響音に補助されていることに気づいたわけです。この部屋の中では、たとえ至近距離であっても直接耳に向かって話しかけないと、ほとんど何も通じず、大声で話しても音が吸収されて消えてしまうので、恐ろしく虚無感すら感じるほどです。ほんの少し角度を変えるだけでも聞こえ方がまったく違い、音の伝わり方の不思議さをひょんなことから体験しました。
今日のコンサートもしかりで、後方に座して、前に人がいる、天井が高い、という条件だと、「回ってきた音」しか拾うことができず、すっきりしなかったわけです。


音を反射しない素材で思い出したのですが、小学校のとき、合唱かなにかの練習のときに先生が「本番のときはお客さんが入っていて、特に黒い服は音を吸収しやすいので、しっかり声を出そう」などと宣っていた記憶があります。練習のときは、人のいない講堂や体育館で音が響いて気持ちよいのですが、確かに本番というのは音の返りが違いますね。ここまでは正しい。だけど、なぜ「黒い服」は特に吸収するのか?小学生のときは鵜呑みにしてしまいましたが、いま思うと腹立たしい(笑)。一応、国立大学の付属校だったんだけど、今思えばアホな教師が多かったな。。。