モン・サン・ミッシェル 11 Sep 2008

パリに9時前に到着して、すぐに地下鉄でTGVの出るモンパルナス駅へ移動。さっそく窓口でRenne(フランス語だと"ヘンヌ"に近い発音らしい)行きのTGVを予約しようとしたら、「モン・サン・ミッシェルに行くの?」と聞き返される。よくわかってるじゃないか、「ウィ!」と答えると、「Renneから出る今日のバス(昼の12:30最終)には乗れない。Too late to go」などといいやがる。「レンタカーで行くから」と告げると、渋々検索を始めたものの、フリーパスで乗れる枠が一杯になっているということで、やっぱり断られました。
仕方ないので、まずはレンタカーを抑えようと思ったら、「TGV+Avis」などという願ってもないサービスカウンターがすぐ後ろに。
順番待ちしていたら、英語対応の窓口は2つ、何も表記のない窓口が1つ。こういう時は運悪く英語非対応の窓口になってしまうもの。しかし、お姉さんがなぜか2人座っており、後ろのキャビネに腰をかけている方が「少し話せる」ということで対応してくれました。「少し話せる」レベルでも対応しようとしてくれる心意気は素敵。こちらもゆっくりと「レンヌまでTGVで行って、そこからレンタカーでモン・サン・ミッシェルまで行きたい」と伝えたところ、残念ながら今度はレンヌにレンタカーが余っていないとのこと。
やばい。何のために夜行で苦労したんだと思いながら、「本当に1台もないの?」と聞いてみたら、どこかスイッチが入った模様で、後ろのお姉さん、携帯でどこかに電話をかけ始めたのです。手前のお姉さんは列車の検索開始。二人であーだ、こーだと相談しては電話先に何か確認したり、いろいろ検索したり、ものすごく手を尽くそうとして頑張っているそのとき、「・・・アレクサンドラ?」とO坂さんが手前のお姉さんの名前をなぜかポツリと読み上げると、お姉さんもにっこり笑って「Yes」と英語で答えてくれて。。だから何っていうストーリーではないのですが、なぜかその後の展開も愉快になってしまいました。Chibaをフランス語風に「シバ!」と読んだり、珍しい日本語の氏名をキャッキャとはしゃぎながら入力したり。そして、彼女達の提案は「一つ先のサン・ブリュまで行けば、レンタカーに空きがあるから、そこから行けるよ!道も簡単!」というので、それでお願いすることに。
TGVに揺られること3時間近く、サン・ブリュに到着。私はいまだに免許を更新していないので、国際免許を持っているヒロシさんだけが運転手。借りたのはヒュンダイのコンパクトカー。もちろん、マニュアル。ヒロシさんは久しぶりのマニュアルに加えて、初の右側通行。緊張のスタート。そして、お約束のエンスト。数度のエンストを乗り越えて、いざ出陣。地図無しで勘で進む!ラウンドアバウトの度に「どっち?どっち?」と叫ぶヒロシさん、ビデオを回しながら、「と、とりあえず、これ!ここ!これを右に!」と勘で指示を出す私。O坂さんは助手席ながら優雅にサンドウィッチを食していらっしゃる。その後、「もしかして、それ3速なんじゃない?」と私がツッコミを入れてみたら、やっぱりヒロシさんは3速発進という器用な技にトライしてらっしゃった。そりゃ、エンストするし、エンジン回転数もあがらないわけですよ。その後、ちゃんと1速からスタートを切ったら、順調に推進。高速道路もなぜか迷わずに発見でき、一路モン・サン・ミッシェル*1


そして、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!



周りに背の高い建物もないので、高速道路からも発見可能。到着は16時くらい。ミラノから何時間かかったんだろう。。。


裏から回って見るとこんな感じです。


とりあえず城内の無料地域と島を一周して堪能した後に、忘れちゃいけないサイコロ第6投目を。月曜深夜に振って以来、40時間近くぶりのサイコロ。12日夜にロンドンに戻ることを考えると、翌日に到着する場所もしくはその周辺から飛行機が出なければならないという制約があるので、事実上これが最後のサイコロ:

  1. 水の都、ヴェネツィア
  2. ホレタぜ、もう一度チューリッヒ
  3. 今度こそ、ニースで海水欲
  4. 男はだまってジブラルタル*2
  5. 情熱のマドリッド
  6. ローマの平日

現在いるモン・サン・ミッシェルというのはフランスの北部の海に面しているわけで、パリからも3時間、つまりどの候補地にもそれなりの移動時間を要するわけです。私はとにかく地中海方面に出たい。その思いがヒロシさんに伝わったのか、第6投は4.ジブラルタル!調べてみると、パリ経由で夜行列車に乗って行くことになりました。
さっそく、レンタカーを返すレンヌへ移動。しかし、時刻表で見る限り結構ギリギリで、パリで乗り換え時間が厳しく、選択肢は3つ。到着と同じモンパルナス駅で30分以内で出発するスペインの国境の街イルン行きのTGVアウステルリッツ駅から1時間以内に出るイルン行き夜行列車、同じアウステルリッツ駅から出るトゥールーズ行きの夜行列車。選択したのはイルン行きの夜行列車。翌日のスケジュールがたてやすいのと、横になって寝たいから。TGVも良いけど、やはり横になりたい。
そして、その思いはあっけなくぶち壊される。。。
地下鉄を走って乗り換えて、出発25分前に到着したアウステルリッツの窓口で寝台の予約を取ろうとすると、「フリーパス用の席は満席」。。。だけど、通常料金でならば席はあるという。通常料金がいくらか聞いてみたら、一人75ユーロだというので、23時からパリでホテルを探す苦労と移動スケジュールの効率性を考えたら、金を出してでも乗った方がマシと即座に判断。ところがここにとんでもない事態が待ち受けていたのである!
寝台車両が続く中、一車両だけ背の低い車両があると思ったら、そこが予約した座席のがある車両。そう、座席がふてぶてしくも待ち構えていたのであります。しかも、車両はぼろい。壊れたようにグニャッとリクライニングするシートに3人閉口。バルセロナから乗ったEclipseがどれだけ良い列車だったか、今さらながら感謝するも手遅れ。列車が発車してすぐに車両の電気が突然消され、「黙って寝ろ」という無言の圧力。寒い。何度も目が覚める。朝方にやたら停車駅が多い。疲れた。。
そして朝7時半、国境の街イルンに到着。すぐにマドリード行きの列車を予約。さすがに金を出してでも1等車を予約。25ユーロしたものの、ワインと食事も出て、座席もゆったりで、まあ満足。

13時半、マドリード到着。翌日のフライトと晩のホテルを探すため、駅構内のネット屋に突入。いろいろと物色して40分近くで手配完了。その後チケットセンターでマラガ行きのAVEの予約も完了させ、せっかくなのでマドリードの町並みも見学して行くことに。ところが、またしてもここにもとんでもない事態が待ち構えていたのである!!



列車の出発は16時35分。見学をしに、駅を出たのが16時。アトーチャ駅からプラド美術館あたりまで歩いて、裏道のバルを覗きながら、16時25分には駅に戻ってきたのですが、乗り場がわからない!ふと見ると、目の前に10番ホームが見えたのでそこから入ろうとするものの、どうやら到着口らしく、乗り場は違うらしい。マッチョな警備員にスペイン語で道を教えてもらい、2階の乗り場へ急ぐと、空港並みのセキュリティチェックが!3人、愕然。手荷物検査のお姉さんにチケットを見せたら、少しは順番を融通してくれるかと思ったら、ただにっこり笑われただけ。そして、X線チェックの後、ダッシュで10番ホーム入り口へ走ったら、どうも人気がない。立っている係員に「その電車に乗るんだけど」とチケットを見せたら、スペイン語で何やら言いながら両手のひらを見せられた。「は?」時計を見ると、16時33分。「あと2分あるじゃない、ってか、電車そこにまだいるじゃん」と言っても、通してくれない。何ということ!
結局、カスタマーサービス経由でもう一度チケットセンターへ戻り。次の列車を予約。カスタマーサービスでは20%の値段を払えば再発行してもらえると言われたものの、チケットセンターでは「Sorry, customer service is stupid.」などと言われ、結局普通の予約料金を支払うことに。パスを持っていると何かと融通が効かん。。といっても、10ユーロばかしだからいいんだけど、こんな適当な連中に時間の正確性を見せつけられたのが、何より納得のいかんポイント。悔しいなぁ。というわけで、次の列車までにビールを一杯。

*1:あとから地図で見ると、レンヌとサン・ブリュは相当離れており、お姉さん達の提案は実はものすごく大胆だったことを知る

*2:いちおうクールポコ風に言うことになってる