EURO 2008 ?日目。

日本からの珍客来襲もあって、もはや何日目かわからないけど、予選リーグ終了につき、記憶の限り、試合の感想を。。

イタリア 1-1 ルーマニア

会社のイタリア人から「パブで一緒に見ようぜ!」とお誘いがあり、遅れてパブに向かったら、到着した瞬間にムトゥが先制。このまま負けて予選敗退したら、かける言葉もないっていうか、英語で何と声をかけて良いのやら。慰めの英語帳とか持ってないよ、と思ってたら、セットプレーからパヌッチが同点ゴール。その後、疑惑の判定でPKがあったものの、ブッフォンさすが。気になっていた中盤は、やっぱりデロッシ、ペロッタが先発。意味のないショートパスの交換に見えて、リズムが生まれ、FW、SBが効果的に動き出せるようになったので、ピルロのパスが脅威になってたように見えました。
それにしても、引き分けている場合じゃない深刻な状況なのに、イタリア人サポーターは会場スクリーンに映った瞬間バカ騒ぎで手を振ってる(笑)。それもほぼ毎回。泣きそうな顔で祈るようにして試合観戦しているのに、テレビに映った瞬間、勝ったようなはしゃぎっぷり。「・・・イタリア人って、大丈夫?」と同僚のイタリア人を冷やかしてみたら、「・・・そういう人もいる」と一言。その後も同じような光景が繰り返され、恥ずかしそうにしていましたが。

フランス 1-4 オランダ

珍客を拾いに行っていたので、前半見られず。その後、パブで観戦+ビデオ。フランスはやっと先発のアンリの存在感高く、リベリもしっかり中心プレーヤーになり、数多くのチャンスを作っていたのが印象的。サニョールがだいぶ前の方まで上がるようになってきていて、ゲームは支配しているように見えていました。にもかかわらず、ゴブ、マルーダがゴール前でいまいちうまく絡めないないので、ミドルシュートが多くなり、それだと好調のファンデルサールから得点を奪うのは至難の業。

オランダの得点は、マルダに体を抑えつけられながらもCKからヘッドを決めたカイトの1点目(スペースに入っていたアンリのポジショニングが悪いと解説あり)が前半にあったものの、真骨頂は後半から。ロッベンファンペルシーがこの大事な試合で後半から出てくる時点で憎たらしいくらいで、ここからフランスのパス回しが機能しなくなり始めました。アネルカは出てきても存在感なく、流れを変えるレベルではないことが判明。
オランダの2点目が象徴的で、ニステルローイが奪ってからのロッベンの高速ドリブル〜グラウンダーのクロス、ファーサイドから走り込んだファンペルシーの強烈シュート。このときのロッベンファンペルシー、スナイデルのスピードは素晴らしかったです。気の毒だけど、ベテランのギャラステュラムがついていけるわけもなく。。。
3点目は、フランスの得点の1分後。ロッベンギャラス、サニョールの2人を抱えながらも角度のないところから、ありえない振り抜きでのシュート。何かテクニックを使ったわけでもなく、軽く射抜いてしまうのが凄すぎる。
とどめはスナイデルのミドル。練習の反転シュートを基本通りしっかりと。これでフランス撃沈。
BBC解説ではニステルローイポストプレーの巧さがしきりに評価されていたのが印象的。スナイデルやファンデルハールトが機能しやすくなっていたとのこと。逆にマケレレは前半だけでレッドカード並みのファールが3回あったと、BBC解説陣はお怒り。試合はアンリがループシュートを外した時点で終わっていたという結論。

カペッロ監督のインタビュー

イングランド代表監督だけあってBBCもEUROに関してインタビュー実施。
今回の注目はとにかくクロアチア、選手のテクニック、チームのスピリット、監督のマネジメント、全てが素晴らしいとべた褒め。
選手ではトーレスニステルローイが最高のFWと評価。「ビジャは?」という質問には、確かに得点感覚に優れていて素晴らしいけれど、同じようなタイプならルーニーの方がよいとのこと(イングランドへの気遣い?)。

スウェーデン 1-2 スペイン

Camden Townのパブでスウェーデン、スペインサポーターが隣り合わせるという珍事態のなかで観戦。トーレスが先制したときはスペインの流れで進むかと思いきや、プジョルが負傷で突然交代して、一進一退に。イブラヒモビッチのボディバランス凄し。体をぶつけにいったセルヒオラモスが逆にはじき返されて転倒した隙に鋭く反転シュートできるのはすごい。このまま引き分けると思っていたら、終了間際にビジャが絶妙なボールタッチから2点目をとって決着。パブではスペインサポーターはテーブルに乗って大騒ぎ、その脇のスウェーデン陣営では女の子が泣きそうに。
スペインはシウバがそれほど目立たず、ロシアを崩壊させたイニエスタ、シャビも途中交代と、実は苦しんだ様子。逆に言うと、攻め手に欠くスウェーデンは組織立った守備が持ち味ということにも。

ギリシャ 0-1 ロシア

攻めきれず守りきれないギリシャが沈没、ロシアはうまく修正できていて、さらにオランダばりのスピーディなカウンターサッカーを展開。2タッチでのパスをばしばしとまわし、フィールドの使い方もとても広い。平均年齢最少のロシアだけに走り回させたら、なかなか迫力あり。ロシアの赤いユニフォームを見て、ヤスが思わず、「韓国みたい」と言ったのもうなづけるほどで、とにかくスペースを見つけたら走り込むヒディングの攻めのサッカーが機能していました。1試合目ではBBC解説陣にメッタ切りにされていたものの、若いチームだけに化ける可能性あり。

スイス 2-0 ポルトガル

1位通過の決まっているポルトガルは主力温存。それで勝っていたら安泰だけど、冴えないスイスに2点とられ、攻めも煮詰まらないのが不安な感じ。

トルコ 3-2 チェコ

久しぶりに家で観戦したので、uefa.comでリアルタイム情報を見ながら観戦。このサイトでは選手の走行距離が数十秒ごとに更新され、誰がどのポジションで何キロ走ったかがデータで見られます。チェコはシオンコが最も動きが多く、最年長コラーも結構な距離を走っているのがわかるのが面白い。防戦一方のトルコは動きが少なく、60分を過ぎた当たりでは、チェコ選手の方がほぼ1km以上動いているのが明らかに。ただ、この差が原因なのか、2点差をつけたチェコが攻めを止めて動きが減ったのに対して、トルコが俄然活発に。世にも珍しいツェフのミス、ディフェンスの集中力欠如でニハトを英雄にしてしまい、チェコはついに予選落ち。

オーストリア 0-1 ドイツ

普通にドイツが楽勝かと思いきや、オーストリアが善戦。それまでの試合ではオーストリアはあまりにもふがいない試合をしていたのに、一番勝つのが難しいはずのドイツ戦では決勝行きを夢見て、攻撃的なサッカーをそれなりに披露。特にサイドをえぐりまくっていたのが印象的。ただ、決められるFWがいなかった。
結局、バラックのパワーシュート一発だけでドイツが辛勝。あのFKも壁一枚分ずらしてのシュートで、キーパーからは見えやすいはずなので、触るくらいはできたようにも見えたけど。。。
ドイツはボールにも積極的に近づけず、パスは回らず、スピード感もなく、1試合目とは大違い。見てないけど、クロアチアにやられたのもわかるような気がしました。ポーランド戦はなめきっていたから、やりたい放題できてたのか?

ポーランド 0-1 クロアチア

クロアチアは2軍メンバーながら、いい勝ちっぷり。何度となく指摘されるように監督のマネジメントが非常に良いようです。

オランダ 2-0 ルーマニア & フランス 0-2 イタリア

1位通過の決まっているオランダは大幅にメンバーを入れ替え。ただし、ロッベンファンペルシーは先発。ルーマニアが勝てば、フランスもイタリアも予選敗退が決まるという条件。万人が「オランダはわざとでも負けるべき」と考えるところが、どうやらオランダ気質ではそれができないらしいです。それはそうと、ルーマニアはほぼ自滅。これまでで最も内容の悪い試合をしていたように見えました。ムトゥにボールを回せず、精度の低いフィードが続き、何もできず。オランダがわざと負けたくても、ルーマニアがシュートを枠に飛ばさなければ負けられないというもの(枠内シュートはムトゥの2本のみ)。
さて、一方のワールドカップ決勝と同じ組み合わせのもう一試合はリベリが怪我で抜け、さらにアビダルが退場したフランスが何もできないまま敗退。ベンゼマ、アンリのコンビが初めてだったので微かに期待はしたけれど、全て台無し。リベリに代わったナスリはアビダルの退場のせいでわずか15分程度で交代。個人的には、代表入りしているのが信じられないゴブなんかより遥かに良いと思っていたけど、ドミニク監督はそう思わないらしく、オランダ戦で好調だったサニョールも起用せず、解せない采配でした。
これらの試合を、テレビとネット(BBCがライブ中継)で両方同時に見てみましたが、イタリアが先制し、他方でオランダがリードすると、イタリアサポーターは例によってバカ騒ぎ(笑)。ほんとオランダに負けてみてほしかった(笑

ロシア 2-0 スウェーデン

出張者対応のため、見られず無念。ダイジェストを見る限り、ロシアがギリシャ戦と同じように速い攻めから崩したようですが、引いた相手に大してサイドから崩すような戦術も持っている様子でした。速攻でも遅攻でも、空いているスペースを狙って、ポジションを入れ替えたり、走り込んだりで崩すあたりは、今回のクロアチアに似ているような気がしました。