雨の神戸

あまりにもぐっすり寝られたので昼12時半頃起床。いや、普段も放っておいても、軽くそれくらいの時間まで寝てますが、途中で眠りが浅くなることなく寝られるというのは気持ちのいいもの。静かな環境、大切ですなぁ。
昼飯後、昨晩塩こしょうして仕込んでおいたローストビーフを焼いて、その間にきんぴらごぼうを作成。ローストビーフは日持ちさせるためにしっかり火を通しておきました。っていうか、通っちゃっただけですなんですが、結果オーライ。あとは、タマネギとセロリをバターで炒め、肉汁とポートワインと少量の水を加えて煮込んで、ソースも作成。タマネギとセロリの出汁ガラは捨てずに、昨晩の鶏ガラスープへ投入。肉汁がおいしかったので、上質なコンソメ風スープになったはず。

夕方からお見舞いに行き、その後は雨の中を軽く散歩。
花隈からどう歩こうか、海側か山側か、特にアイデアはなかったものの、駅前近くまで来て、そうだ!と思い出したのが、モトコー。もう何年も歩いてない、、どころか、多分過去に一度か二度くらいしか歩いたことがない元町高架下商店街。花隈のあたりは恐らく3番街あたり。ここから三ノ宮まで雨に濡れずに行けるじゃないか!と思ったら、元町駅のところで一度外に出なければなりませんでした。。
モトコーは、言うなれば秋葉原の高架下にあるような極小店舗が数キロに渡って立ち並ぶ商店街。以前に歩いたのは震災前。印象は安物、偽物、バッタもののオンパレードという感じだったものの、いまや知る人ぞ知る観光スポットらしいのです。
歩いてみると、照明も柔らかな白熱灯系が戦前からの古い通路に意外とマッチしていて、なぜかおしゃれに感じるのです。出ているショップは常に入れ替わり立ち替わりしているのだと思いますが、昔も多かった靴屋、雰囲気から想像難くないとおりアクセサリー、古着などのセレクトショップが多いです。ペットショップなどの意外系もありましたが。
昔と大きく違うのが、こじゃれたカフェや喫茶店が増えていて、若い雰囲気にあふれている点。店の構えもコンクリートむき出しなどではなくなって、各々が個性豊かに内装して綺麗にしていて、見るだけで楽しめます。古着は180円からあったり、中古PCショップも依然としてあったりする中で、お洒落な店も増えていて、うまくバラエティ豊かになっている印象を受けました。残るものが残って、一方で新しいものも少しずつ増えていくというのは、商店街の新陳代謝としてはいい方向なのだと思います。
ただし、三ノ宮側ピアザKobeを進むと、このお洒落部分だけがどんどんフィーチャされていて、上記したような雰囲気への感慨は薄れていきます。各店舗の完成度がやたらと高くなっていて、元町以西のパートで見られる若さやこだわり、あるいは駆け出し感のような感覚がなくなっているように感じました。軽い言葉で言うと、プロばっかりで驚きがない、そんな感じです。
商店街については、ほとんど勉強していないに等しいですが、個人的には、商品の品揃えよりはこだわりと向上心を持った専門店が集まる方が活気が出るのではないかと思います。お店も商品ラインアップが完璧である必要はなくて、こだわって少数のアイテムを押し出している方が信頼感があります。総じて若い店は在庫も持てないだろうから、アイテムを絞って地道にお客さんを獲得していく傾向になるとも考えられます。モトコーの相場の詳しいことなどは知らないですが、普通に考えて、三ノ宮から遠ざかれば遠ざかるほど店舗賃料は下がるはずなので、規模の小さく若い店が商売を始めやすい、つまり上記のような活気を生み出す環境になっているのだと思います。
じゃあ、なぜ何十年も薄暗かったのか?推測ですが、大規模電気店やディスカウントショップが一般的でなかった時代は、安価な雑貨や専門部品、中古品などは高架下でないと入手できなかったのではないでしょうか。その外部環境と需要が変わって廃れたところに、高齢化に伴う引退などもあって、新規店舗が生まれる余地ができたと考えられます。震災は高架下商店街に物理的な被害を与えなかったものの、各店舗オーナーの住環境に影響があったとしたら、店舗継続資金への影響も避けられなかっただろうから、副次的に震災も影響したと考えられます。
観光地化するまでに活気を取り戻したその次はどうなるのだろう?モトコーの中で西から東へうまく新陳代謝されていけば、これからも楽しい雰囲気が持続されるように思いました。