Rolling Stones at さいたまスーパーアリーナ

今日は結局疲れて午前中は起きられず、今年もまたカナマラ祭りを見損ねてしまいました。日本のテレビではまず放映されない日本屈指の奇祭カナマラ祭り。エリザベスは健在だろうか。担ぎ手のニューハーフの高齢化も気になるところ。
さて、待ちに待ったストーンズ埼玉公演。本来なら東京ドームでの2公演(3/22&3/24)も行きたかったのだけれど、平日でどうせ忙しいという読みでチケットも買っておらず、いずれにしても出張でアメリカに行っていたからチケットを買っていたら大損害になるところだったのです。それほど今回のツアーのチケットは高く、一番音の悪そうな東京ドームですら、S席¥17,500/A席¥14,500/B席¥12,500/C席¥9,000/ゴールデンサークル席¥55,000
という高額な価格。今日は日本ツアーでは唯一のアリーナレベルの公演とあって、S席¥35,000/A席¥28,000/B席¥18,000/ゴールデンサークル席¥65,000と、東京ドームの倍という異常な価格が最初からつけられていました。埼玉公演は来日直前に発表になっていて知らなかったので、WOWOWの先行発売から1週間遅れてチケット購入。破れかぶれで?65,000チケットを買おうと思ったものの、すでに売り切れていてやむを得ずS席に。届いたチケットはステージ正面と言えど、S席でももっとも後方部と思われる席。でも、前回の東京ドーム最後列という悪夢よりははるかによい席。一度最悪の体験をすると、人間たいていのことには我慢できるようになるものです。
今回はこれまでの日本公演ではなかったオープニングアクトがあり、リッチー・コッツェンがビリーシーンとのトリオで登場。前座なのに超豪華。ロッドスチュワートやロニーウッドが在籍した第1期ジェフベックグループもカバーした"All Shook Up"やロッドの"I'm Loosing You"などストーンズファンにも馴染みのある渋い選曲で、まずまず好評。リッチーはハードロックやフュージョンのイメージがあったので、ストーンズファンにはどうかと最初は思っていたのですが、その辺は当人も気を使ったのか、ロックとブルースを感じさせるアレンジで演奏していて好感が持てました。そうは言っても、超絶テクニックはしっかりと披露してくれるわけで、リッチーの速弾きにもビリーの高速ハーモニクスにも圧倒されました。
しかし、さすがのリッチーも最後に一度だけ滑りました。それぞれの曲間にMCを軽くいれていて、都度それなりの反応が客席からあるものですが、ラストの曲の前に「日本の皆さんもよく知っているガンダムの曲をやるよ!」と話した時に会場が静寂に包まれたのです。どよめきとかならともかく静寂という状況は、さすがにリッチーも予想外だったようで、ビリー達と失笑している姿が気の毒でした。リッチーは知る人ぞ知るガンダムのカバーアルバムをシンディローパーたちと最近発売していて(http://www.bmgjapan.com/_artist/item.php?id=2047&item=7029)、今回はそのプロモも兼ねての前座登場だったのですが、プロモーター側の思惑は大きく外れてしまったわけです。結局演奏したのはZガンダムの主題歌(MarkII時代のほう)でしたが、ストーンズファンにはそれが何だかわからないうちにリッチーのステージは終わって行ったのでした。
前座の約30分後、開演予定から1時間半ほど経過した頃にようやく真打ち登場。アリーナ仕様のセットリストなので、のっけからJumpin' Jack FlashWinMXで落としたブートレグでいくつかこのパターンを聴いてはいたけれども、やはりいつもエンディングの曲を生でオープニングで聴くというのは新鮮で、それだけで後に何がくるのか読み切れず期待感が高まるわけです。ミックがギターでイントロをとる新曲のRain Fall Downではダリルがベースソロを入れるなど4曲目にしては大胆だし、アリーナならではの音の良さ(スタジアムに比べて)を活かしてアコギでのWild Horsesも巧い展開。ギターチェンジも昔より素早くなって間延びのない曲間の展開も良くて、気がついたらMidnight Ramblerが演奏され一気に前半を駆け抜けました。メンバー紹介後のキースの2曲はアコギとピアノでスタートするThis Place Is Enptyと、聴きたかったHappy。盛り上がりにくいInfanyとかじゃなくてよかった。。
ハイライトはここ数回のツアーで恒例になったセンターステージ。前回までは中間の休憩がてらメンバーがパレード的にゆっくり歩いて移動する形式だったのが、今回は演奏中にステージごと観客席中央まで移動してしまうという企画に驚かされました。ちなみにその時の曲はシンプルなMiss Youで、ミックが初めてヘッドセットのマイクをつけてギターを弾きながらの演奏。そして新曲を披露した後に、Start Me Up!センターステージはそもそも大昔のような小さなクラブでのギグを再現するコンセプトだっただけに、オープニングで使われるようなノリの良い曲が演奏されて大盛り上がり。これにはやられました。ちなみにセンターステージからメインステージへの帰りもHonky Tonk Womenを演奏しながらステージごとの移動。客の目をそらさせない、飽きさせない工夫というのが、何ともいいものです。
アンコールの最後はやっぱりSatisfaction。20数曲、2時間程度、歌って踊ってギタ−を弾きながらも、62歳のミックジャガーはまったく手を抜くこともなければ、広いアリーナの観客席のすべての方位にしっかり気配りした計算済みのパフォーマンスもダウンすることなく、私は感服。今回は目立ったミスをすることもなかったし、私はストーンズのコンサートではいつも運がいいです。
今回はWOWOW主催で、カメラシューティングもあったので、きっと5月に放送されるはず。また、その時に再びゆっくり楽しめればいいな。