Together & Apart: Jeff Beck at O2 Arena, 14 February 2010

The O2


連日のO2アリーナ参りですが、昨日の後方の座席と違って、今日は左ブロック6列目のセンター寄りという好ポジション!周りの人たちはステージを背景に記念写真を撮っていたり、時々後ろの方を撮影したり。なぜかと思って振り向いてみたら、確かに軽い優越感というかプレーヤーの視点っぽい風景に酔えるような気持ちがわかる気がしました(笑)。
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2万人サイズの会場での前方座席は経験なく、これまでの東京国際フォーラムでの5列目とか、09年9月のIndigo O2(2,000人キャパ)の最前列とも違う雰囲気。何が決定的に違うというと、スピーカーの位置。ほぼ真上のような高さにあるので、マイクの角度が難しい!再現すると、こんな感じでマイクを立てて、このまま鞄を膝に乗せたまま3時間3本勝負に向かったのであります。なお、鞄とズボンが擦れる音を拾わないようマフラーを間に敷いて防音もしっかり!
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今日も前座なく、ほぼ20時ちょうどにスタート。昨日の座席が遠くて気づかなかった点は以下の3つ。
・オーケストラは開演前から座ってスタンバイ済み
・昨日10人程の編成とレポートしましたが、ホーンセクションがベースアンプの裏に潜んでいるのを発見。でも、音は今日のアンコール曲まで確認できず。今日だけだったのかも。
・いつものMarshallに加えて、Fender Champらしき小型アンプも用意(Champより少し大きいかな?)。(これは13日にも見えていましたが)


さて、セットリストですが、2曲変更がありました!
1. Eternity's Breath
2. Stratus
3. Led Boots
4. Corpus Christie Carol
5. Bass Solo
6. Unknown (New tune?)
7. Unknown with Sharon Corr
8. People Get Ready
9. Big Block
10. Lilac Wine with Imelda May
11. A Day in the Life
12. Nessun Dorma (encore)


ご覧の通り、10曲目のゲストがImelda Mayです。昨日、聴きたい!と書いたLilac Wineが演奏され、私は大満足。Imeldaが1曲で帰って、そのままA Day in the Lifeが始まったので曲が減ってしまったのかと思いきや、アンコールとして本邦初公開の感動曲が演奏されたのでした!!!


では、楽曲レビューです。

1. Eternity's Breath

Jasonが一瞬先にステージに出てスペイシーな音を始め、Jeff先生は手を振りながら颯爽と登場。Naradaさんは赤いランニングシャツに学帽のようなキャップで、首や肩を回しながらドラムに着座。ガキ大将のようです(笑)。とはいえ、彼がバスドラを踏んだ時の音圧ときたら、それはそれは凄いもので、ドスン!と重低音が胸を突き抜けるようなド迫力パワー!座席の良さもありますが、あとのクラプトンのバンドで叩くSteve Gaddが全力で踏んでも、Naradaさんほどの迫力や音圧はなかったわけで、あらためて脱帽でした。

2. Stratus

そんなわけで、この曲でのNaradaさんの迫力たるや筆舌に尽くしがたいものがありました。ヴィジュアル的にも、ドラムセットがグラッグラ揺れているのがわかるので、そのパワーが伝わってきました。13日にはなかったJeff先生からの"Narada, my new drummer!"という紹介も。あと、珍しいと思ったのですが、演奏中にJeff先生からJasonに何やら指示あり。複数使っているキーボードのサウンドバランスか何かだった様子でした。

3. Led Boots

今日は少し手探りな感じのイントロでしたが、溜めの一拍のところでNaradaさんが「ヘイッ!」と掛け声一発!引き締めようとしますが、メロディに入るまではイマイチ引き締まらず(笑)。Jeff先生も途中曲のスケールを間違いそうになったり。そんな時はJasonが一番しっかりしているようで、彼がまとめにかかる印象が強いです。09年9月の特別ライブでImelda MayバンドでJeff Beckと共演した時も、他所のバンドなのに何かと細かく指示を出したり、全員の様子をしっかり見ながら演奏していたり、大音響のステージ上でもしっかりモニターしてメンバーを束ねていく様はすごいなと思います。

4. Corpus Christie Carol

前方で聴けてラッキーと思えたのはNradaさんの迫力だけではなく、このような静かな曲でのオーケストラサウンドの美しさ。そして、Jeff先生の様子が気になって仕方ない指揮者の方の忙しさ!Where Were Youなどでも昔からそうですが、時々自由気侭なテンポで演奏してしまうJeff先生なので、これまではTony HymasやJasonあるいはJeniffer Buttonなど従順なるバックが見事に合わせてきたわけで、これを10名を超えるオーケストラが合わせるなんて難しすぎる!なんて思ってしまいました。でも、今回ばかりはJeff先生も頑張って合わせていた様子でしたよ。

5. Bass Solo

今日は演奏前にJeff先生からRhonda姐さんの紹介あり。相変わらずのド迫力ソロ!昨日、ペグをいじっていたように見えた仕草は、ハーモニックスで出した音にビブラートをかけるためにネックとペグの間で弦を揺らすという細かいテクニックでした。

6. Unknown (New tune?)

オーケストラの重厚で荘厳なリフとファンキーなリズム隊がマッチしてかっこいい1曲。ただ、Jeffの弾くメロディはやや単調なので、オーケストラがいないであろう単独ツアーではスカスカになってしまわないか、少し心配。

7. Unknown wtih Sharon Corr

もしかしたら、この曲が新アルバムのElegy For Dunkirkなのかもしれないのですが、決定的情報がないので、とりあえず引き続きUnknownとクレジットしておきます(Spotifyで検索するとElegy〜は出てきますが、バックはともかく、メロディラインがやっぱり違うので)。いずれにしても相変わらずの美しい曲です。このヴァイオリンのパートを、ツアーではJeff先生が弾くんでしょうね。99年ツアーのDeclanを思い出すかも(笑)。
http://www.sharoncorr.com/

8. People Get Ready

今日もやはりボーカルレスで、短めの演奏。Jeff先生がアウトロをかき鳴らしている途中で次のBig Blockのベースリフが始まるのは、賛否分かれるかも。しかし、せっかくオーケストラがいるのに、短いともったいないなぁ。フルに演奏してもらいたいけれど、Rod Stewartのアンプラグドバージョンで我慢しましょうか。

9. Big Block

この曲をよくよく観察していると曲の前半から後半近くまでは、ドラム、ベース、ギターのトリオだけでの演奏ですね。Jasonはニコニコしながら3人の演奏を楽しんでいました。シンプルながら、バンドメンバーが一番ノッていける曲なんだと思います。エンディングは前のメンバーの時のようなキメや溜めはなく、オリジナル通りに終わります。

10. Lilac Wine with Imelda May

待ってましたの1曲!Imeldaは、赤に金のインド風刺繍の入った、少しゆるめのワンピースでご登場(普段はタイトなドレスで、ちょっとお腹がきつい)。昨日の派手&抜群プロモーションで色気満々のJoss Stoneとは対局な感じの出で立ちで、知名度のせいか、登場時は観客もそれほど盛り上がらず。しかし、曲が始まってしまえば、アリーナの空気は一変。普通のバンド演奏でも十分に美しいこの曲にオーケストラが加わって、リズム隊はジャズっぽく刻む渋さ!Rhondaはエレキのボディ無しアップライトベースに持ち替えています。

11. A Day in the Life

13日より1曲早い登場となった”グラミー受賞曲”。まさに完成の域に達しましたね!特に書く必要はない完璧な出来映えでした。

12. Nessun Dorma (encore)

13日と違ってアンコールの形で行われました。恥ずかしながら、最初は何の曲かわからず、只々、美しさに圧倒されていました。サビまで来て、おぉ!この曲か!と思ったものの、名前が思い出せず(笑)。家に帰って、600円でiPhoneアプリ(Sound Hound。ハミングでも楽曲を検索してくれるやつ)を買って検索して、ようやく解明。と思ったら、新アルバムに入ってるじゃありませんか!
私の与太話はともかく、これはJeff先生のライブでもっとも感動した演奏かもしれません。ほんとに。何より、最後のキメの部分をオーケストラと合わせられたところで、Jeff先生がガッツポーズ!!RhondaやJasonもガッツポーズ&最高の笑顔!!我々、観客もガッツポーズ(少なくとも私と隣のおばさんは)!フィギュアスケートで難しいジャンプをこなした時の伊藤みどりじゃあるまいし、などと思いつつ、これはほんとに凄かったです。2010年、Jeff先生は新境地に達しておりますよ!
ちなみにオーケストラのホーンセクションはここで初めて登場(たぶん)。ずっとベースアンプの裏で座って出番を待ちながらも、リズムをとって楽しんでいる姿を、私は見ておりました(笑)。

Eric Claptonとの共演

ここはまたいずれレビューをアップしようと思いますが、今日は第2部と第3部という隔てがなく、クラプトンの最後の曲Cocainが終わってすぐにJeff先生が登場して合流。スムースに進み、昨日より早く23時に終了。なぜなら日曜日で終電がさらに早いからでしょう(笑)。よって、今日は途中で帰ってしまう人も少なかったように思います。
とりいそぎ、いくつか写真を!
1曲目のShake Your Money Makerでは、白いテレキャスでスライドプレイ。
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2曲目以降はいつものストラトでプレイ。途中で思いついたようにガラスのボトルネックを使ったり、自由にプレイしていました。
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そして、エンディングはHi Ho Silver Lining!これでJeff先生が唄う姿を見るのは3度目となりました(笑)。唄う時は、やっぱり恥ずかしそうで、クラプトンみたいに正面からマイクには向かわず、慣れないカラオケに引きづり出されたおじさんのように照れながら、斜めに構えて唄うのでした。昨日も今日も、お客さんが唄えるようにバンドが音を止める瞬間もあったのですが、今日の場合はJeff先生が「もういっちょ!」とばかりに長めに抑えさせるなんていう嬉しい演出も。
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公演終了から5時間でなんとかここまで書き終えたぜ!
もう4時だ、寝なきゃ(汗)。。。
音源はまたアップします!