Together & Apart: Jeff Beck at O2 Arena, 13 February 2010

待ちに待ったJeff Beck先生の2010年一発目のライブ@O2アリーナ。Eric Claptonとのジョイントライブで、雰囲気的に7-8割くらいはクラプトンファンであったと思います。私は言うまでもなくJeff先生のみが目的でしたので、ここでもまずはJeff Beckパートのみお伝えします。


当初はロンドンの当公演だけの限定ライブだったものの、すぐに翌2月14日公演が追加され、その後にNYC(18-19日)、トロント(21日)、モントリオール(22日)も追加発表、計6公演の「ツアー」となりました。そのため、ツアーグッズもTogether & Apart 2010 Tourという具合に銘打たれています。13日に購入したツアーグッズは以下の2点:

■プログラム(12ポンド)
R0011670
→まるで二人で絡んで演奏したかのようなショットですが、ファンならお気づきの通り、もちろん合成。前回のUKツアーのプログラムと並べると一目瞭然です(笑)。
R0011671


なお、裏表紙はこんな感じで、少しサンタナっぽい(?)サイケな感じが似合わないです。。
R0011672


■Tシャツ(20ポンド)
Tシャツは3種類ほどありましたが、とりあえずこのバージョンを購入。14日にまた別バージョンを買ってしまうかも。。。ちなみに、09年9月のAmex限定ライブの時にはUKツアーの在庫品が半額で叩き売りされていました。
R0011673 R0011674


さて、本編。
4月発売予定(UK, US。日本は3月!いいなぁ)のアルバム制作を終えたJeff Beckが、衝撃の新体制で迎える一発目のライブということで、新曲、新メンバーに注目。みんなのタルちゃんがアルバム参加しながらもツアーから離脱ということで、モチベーションの下がった方々も多かったようですが、ひたすら前に進むのがJeff先生なので、我々ファンも一緒に進まねばなりません(笑)。


構成は前回のさいたまスーパーアリーナと同様に、第1部がJeff Beck、第2部がEric Clapton、第3部がClaptonバンドでジョイント、となりました。前座は予告通りなく、20時スタート。会場アナウンスもなく、50年代ポップス中心のSEが盛り上がることなく止んで、照明が暗くなったら、さりげなくスタートというあっさりさ。
開演前の雰囲気はこんな感じ。
The O2

セットリスト

注目のセットリストは、
1. Eternity's Breath
2. Stratus
3. Led Boots
4. Corpus Christie Carol
5. Bass Solo
6. Unknown (New tune?)
7. Unknown with Sharon Corr
8. People Get Ready
9. Big Block
10. Unknown with Joss Stone
11. I Put A Spell on You with Joss Stone
12. A Day in the Life
という全12曲。約50分の第1部でした。


4曲目からはなんと10人程のオーケストラが参加。位置はステージ下手(客席から見て左手)、つまりJeffのマーシャルアンプのすぐ横!!それにも関わらず、大音響の中でも完璧に音が拾える昨今の音響技術に驚嘆です。7曲目でのSharon Corrはヴァイオリンソロですが、ピックアップ付きでプラグを差した青いフルアコ・ヴァイオリン(そんなジャンルがあるか知りませんが!)です。


というわけで、今回のメンバー構成は以下になります:
Jeff Beck: Guitar
Narada Michael Walden: Drums
Rhonda Smith: Bass
Jason Rebello: Keyboard
Small Orchestra for Strings
Joss Stone: Vocal
Sharon Corr: Violin
準レギュラーになりつつあるかと思ったImelda May姉さんは登場せず(笑)。Lilac Wineとか、この2万人クラスのアリーナで響くと映えると思ったのですが。14日には出るかなぁ。


さて、ざっと楽曲レビューを。

1. Eternity's Breath

Angelのようなイントロからスタートしたので、ちょっと不意打ち。ヘヴィなディストーションをかけたベースが、これまでとまったく違う印象を与えています。会場PAが音量控えめで、少し拍子抜け。

2. Stratus

昨今の鉄板メドレーで、2曲目はStratus。この曲が来た時に、いきなりNaradaさんの見せ場を作っちゃうのか!と即座に思ってしまいました。音づくりなのか、弾き手の特徴なのか、ずっしりと重いベースラインが渋い!後半のNaradaさんソロで盛り上がろうという時に、少し演奏ミスあり&会場PAも突然大きくなり始め、こちらはレコーダーの入力レベル調整に追われる羽目に。。。無念の若干音割れ。

3. Led Boots

Naradaさんがいて、この曲をやらないわけにはいかん、ということでしょうね。さっそくぶつけてきました!アルバムのようなエフェクトはなくとも、絶妙なハイハットの開閉がたまらんです。そして、Rhondaのベースはスラッピングで硬くタイトな音で全体を引き締めています。今までのリズム隊(Vinnie & Tal)よりも手数が少ないためなのか、JasonとJeffのソロもより映えたような印象です。

4. Corpus Christie Carol

09年9月のAmex限定ライブでも演奏した聖歌のカバー。オーケストラとの共演だと美しさが増しますね!このようなしっとりした曲などでは、Rhondaがベースをエレキのアップライトベース(ボディなし。グラミー賞演奏でも使っていたタイプ)に持ち替えて演奏しています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Corpus_Christi_Carol

5. Bass Solo

Rhondaがベースのヘッドのペグをいじるような素振りでハーモニックスを始めたので、チューニングしているのかと思いきや、ジャコパス風のイントロでソロを開始!凄まじいテクニックを一気に見せつける様は、99年ツアーでのJeniffer Buttonを彷彿させてくれました。ツアー初回からソロを取らせるとは、Jeff先生の評価も相当高いということなんでしょうね。

6. Unknown (New tune?)

恐らく新曲だと思います。ワウペダルでStevie Ray Vaughanのようなイントロからスタート。シンプルでファンキーなリフで、曲自体はそんなにテクニカルな感じはしませんが、オーケストラがリフを重ねると、その厚みはすごい迫力に!
この曲で会場PAがさらに大きくなり、またしても一部音割れで入力レベルを再調整。。。1曲目では入力レベルが70でちょうどよかったのが、この頃には50くらいまで絞らないと割れてしまうくらいの差異。

7. Unknown with Sharon Corr

予想外の展開でソロ・ヴァイオリニスト登場。Jeff先生の好きそうなアイリッシュ調のメロディですが、これが新曲なのか、カバーなのかは不明です。ヴァイオリンをフィーチャーして、Jeff先生は控えめにバッキング中心。オーケストラと相まって、美しさ倍増でした。

8. People Get Ready

盛り上がったところで、この曲が来ました!ハーフトーンで出すストラトの枯れた音でのイントロには癒されます。ロンドンだけに、誰かゲストボーカルが出るかと期待もしましたが、今回はショートバージョンであっという間に終わってしまいました。次に続けるお口直しという位置づけですかね。

9. Big Block

People Get Readyからつなげるのに違和感たっぷりでしたが、ここでもRhondaの重いベースラインが渋いです。Jeff先生も今までになく自由なノリで演奏していた印象です。
ここで会場PAの音量がさらに大きくなり、レベル46くらいまで絞りました。

10. Unknown with Joss Stone

ここでスペシャルゲストでJoss Stoneが登場!パープルのスパンコールのワンピースという派手な出で立ちでステージ映えしていました(Ronnie Scottsのライブ映像がもっさりした印象だったから尚更?)。
すみません、これは誰の曲かわかりませんでした。

11. I Put A Spell on You with Joss Stone

新アルバムにも収録されているJoss Stoneとの共演曲。恥ずかしながら私は知りませんでしたが、Spotifyで検索すると、多くのアーティストがカバーしているんですね。ソウルフルなボーカルがかっこいいです。
http://en.wikipedia.org/wiki/I_Put_a_Spell_on_You

12. A Day in the Life

最後はみんな大好きビートルズのカバーで締めくくり。RhondaのベースはTalちゃんをカバーするかのようなメロディラインで、グラミー受賞バージョンの威厳(?)を感じた瞬間でした。ここでも言うまでもなく、オーケストラとの共演が夢のようで素晴らしかったです。が、エンディングにかけて会場PAの音量が上がっていくという嫌がらせで音割れしまくり。最後にはレベル40まで絞りました。
近くにいた人の”Jeff, come baaaaack!!”というシャウトには、私も共感!クラプトンはいいから、早く次を聴かせて!!という思いでした。

音源!

とりいそぎ、自分のiDiskに保存してみました(1ヶ月限定ですけど)。wav→mp3の変換ですが、曲ごとの頭出しはしておりません(かばんからマイクを取り出すノイズから始まってしまいます)!誰かやってくれると助かるなぁ。。。
第1部: http://files.me.com/mickmori/oio4mr.mp3
第2部: http://files.me.com/mickmori/te05ui.mp3
第3部: http://files.me.com/mickmori/t47wlb.mp3
※第2部のクラプトンの時には更に会場PA音量が上がり、入力レベル37くらいまで絞ることに。力づくでクラプトンの迫力つくってんじゃねーよ、と言いたくもなりましたぜ。
※第3部は第2部終了後にやたら早く始まったので、頭が切れちゃいました!ごめんなさい!14日は連続で録音します!
※反省ですが、携帯は電源オフにしておくべきでした。電波ノイズを拾ってしまい、静かな曲では耳障りでしたね。。
※機材:Zoom H4n にSony ECM-MS907マイクを接続。

本文で触れませんでしたが、第3部でのMoon Riverは最高です!他のブルース曲よりも、二人の共演の「らしさ」を感じたというのが率直な印象です。でも、実は一番盛り上がったのはアンコールのHi Ho Silver Liningで、ロンドンっ子はついに立ち上がっての大合唱!ほんと愛されている曲ですね。09年7月のRoyal Albert Hallに続いてJeff先生のシャイなボーカルを再び聴けるとは、なんと幸せなことか!でも、時間は23時半くらいのため、郊外に住む方々は終電に走りながら、というカオスなエンディングなのでした(笑)