ロンドン正月花火


07-08の年末年始は人生で初めて家の外で迎えました。
カウントダウンとニューイヤー花火がすごいらしいということで、会社の先輩後輩と3人で出陣。日本と違って屋台などもなければ特設会場とかスタンドなどなく、ただただテムズ川沿いに人が集まってくるのですが、20時から中心部が歩行者天国になるので、みなさん歩道と車道の段差のところに腰をかけてじっと過ごしている感じでした。そう、我々は20時から陣取っていたわけです。しかし、ただひもじく座るだけのイギリス人とは違い、我らが有能な後輩は日本の伝統的便利アイテム「レジャーシート」を持ってきてくれたので、とりあえず体制はばっちり。観覧車"London Eye"の正面左に陣を張りました。このテムズ川沿いにはバカでかいスピーカーが随所に設置されていて、クラブのようにガンガン音楽が鳴り続けており、それを聞きながら、持参したビールを飲んで待ち続けたのです。
21時頃。どう見ても中学生のガキどもがビールを飲んで大騒ぎし始めました。その後、色とりどりのカツラをかぶった黒人、インド人、東南アジア人の女の子の留学生と思われるグループが近所で踊りだしました。時々、騎馬隊の警察がきますが、特にアクションは起こさない様子。
22時頃。どうもタバコと違う煙の匂いがすると思ったら、すぐ後ろでフーリガンみたいな連中がマリファナやってました。歌を歌ったり、大笑いしながらガラスのボトルとか叩き割ってます。近くにいたインド人家族は耐えられず逃げ出しました。レジャーシートを敷いた我々は動じません。
23時頃。小雨と寒さとビールの相乗効果で催してきたので、トイレ探し。日本の祭りのように特設トイレなどないため、男どもは少し路地裏の建物に向かって好きずきに放出。そんな芸当ができない女性はおそらく近所のパブに駆け込んでいたのだと思います。この頃にはテムズ川沿いの通りは大混雑。
23時半頃。すっきりして陣地に戻ると、例の狂った連中のうちの一人がその場で小便をはじめてしまい、ちょっとした騒ぎに。幸い、その後一瞬だけ雨が強まったので分散された模様。この頃には場所取りが激しくなってきており、我々のレジャーシートとか平気で踏みつけてうろうろされるようになったので、さすがに座して待てず起立。
0時前。21時くらいから節目の時間になるとスピーカーから「あと何時間!」みたいなアナウンスがあり、その都度「うひゃー!」と叫ぶロンドン人たちは、0時前になるともう興奮状態。スピーカーから"Ladies and Gentlemen..."と聞こえるだけで、大歓声があがります。そして、それまでスクリーンセーバーのごとくイメージ映像が映されていたLondon Eye横のビルにカウントダウンの数字が刻まれた時にゃ、もう大変ですよ。
ふと思いましたね、何が楽しいのかと(笑)。
さて、スピーカーから除夜の鐘のごとく流れる教会の鐘の音とともに、狂乱のカウントダウンで2008年に突入。その瞬間に花火炸裂。
海外で花火は初めて見ましたが、表現するなら、力づくの花火です。押して、押して、力で押しとおす花火です。風情などあったもんじゃありません。言うまでもなく、「提供は○○工業株式会社、、、」なんていうアナウンスなどはありません。ただただ、ほぼ絶え間なく明るい大玉が炸裂し続けます。
とりあえず、後輩は「たーまーやーーー!」と叫んでおりましたので、私も叫びました。周りに日本人などいなかったので、完全に内輪ギャグですが。
花火は約18分で終了。4時間待った甲斐が、、、、あったのか、なかったのか。そのあとは日本人DJのいるクラブで軽く飲んで踊って家路に着きましたが、この日は地下鉄・バスが深夜まで通常運行して、さらに無料という太っ腹なロンドン市。深夜3時でも普通に駅や街が混雑していて、ロンドン中が六本木状態になっているような感じでした。
花火の様子はYouTubeで見られます。BBCの中継映像が全体を映しているのですが、市民が撮った映像のほうが狂乱の様子がうかがえて楽しいと思います。

http://www.youtube.com/watch?v=N7r1hvvnnc4
BBCのTV中継。おとなしめ。

http://www.youtube.com/watch?v=pLUzTpAam3o
→祭りだか戦争だかわからない迫力ですが、我々がいたところもこんな感じ。

http://www.youtube.com/watch?v=GAtEs5HYUM4
→恐らくトラファルガー広場あたりからの映像ですが、こんなに見えにくいところでこれだけ盛り上がれるのが凄すぎる。

そうそう、ロンドンで新しい発見がありました。それは声のウェーブ。後ろのほうで奇声があがったと思ったら、それが球場のウェーブのようにどんどん伝播してくるのです。ほぼ野生の猿です、こいつら。