ルーブル美術館展

みなとみらいの横浜市美術館で開催中のルーブル美術館展へ行って参りました。まさに「参りました」であって、決して「ゆっくり満喫」できたわけではありません。とにかくもう人が多いのなんのって。"順路"なんて示されちゃうものだから、日本人はみんなそれにしたがっちゃうわけです。かといって、逆行したところで、人の数が絶対的に多いから何もできないのですが。
で、みんながみんな、順路にしたがって行くものだから、4−5重の人の列がベルトコンベアのごとく壁伝いにほぼ一定のペースで流れていくわけです。インサイドの流れに乗って絵の近くを歩いてみたものの、3枚目の絵くらいで挫折。確かに近くで見れば、細かいタッチやらひび割れやら見えるわけですが、あろうことに照明が乱反射して絵の全体がまともに見られないわけです。言うまでもなく、流れから離れれば絵の全体を見られるはずだけれども、下半分は黒だかりの人しか見えず、いとわろし。みんな、楽しいのかい??
まぁ、本気で美術が好きな人はかじりつくように見て楽しむわけだけど、裸婦の風俗画を女性の人たちが取り囲んで「ふむふむ」なんてやってるのを見ると、「何をわかったような顔をしてるんだ、バカヤロ」なんて突っ込みたくなるわけです。200年近く前の絵だから価値を感じてみんな見るんだろうだけど、これが「実はこの間、篠山紀信が書きました」なんて言ったら、「やだ、いやらしい」ってなるんだろうな、と。聖書やら神話やらからヒントを得た絵なんかは素っ裸の天使なんかが走り回ってるけれど、これをその辺の日本人が描いてたりなんかしたら「このロリコン野郎!」なんて罵倒されるに違いないわけで。
とまぁ、作品にケチをつける気は毛頭ないのですが、美術画のように座して語らないモノを見たときに、大衆は何に感動を覚えるのか、というのが非常に気になったわけです。私の場合は、ああいったでかい絵画を描こうと思いたって、ホントに描ききっちゃったというところに感動しています。